遠距離恋愛
「じゃあ、俺の所来る?」
にこりと、あくまでも爽やかな笑顔。
「…いえ。行きません」
「うわー、そんなはっきり言う?」
「行くとしても、もっと先です。私にはまだ、
考えなきゃいけない事がたくさんありますから」
「迷いを振り切る為に、ってやつ?」
「はい。もう、長い間付き合った情だとは思ってません。
私は本当に翔の事が好きで…
翔も、私の事を考えて別れようって言ったんだって思ってます。
でも、私が迷ったから、翔を惑わせた。
私が強くならなきゃ、翔の所には戻れない」
「それに、新しい恋もできない、と」
「そういう事です!」
笑顔で言うと、拓未は困ったように頭を掻いた。