炭酸アンチヒーロー番外編
「ッ、くそ、どこだ……?!」



思わず呟きながら、俺は階段を駆けあがる。

そして、自分の教室がある2階に到達したところで……ようやく、壁に背を預け廊下で小さくなっている彼女の姿を見つけた。



「……まお」



俺が声をかけると、教室の前で床にひざをたてて座りこみ、顔をうずめていた彼女が、ピクリと肩を震わせた。

その視線の高さと合わせるように、俺も目の前にしゃがむ。



「まお、ごめん。俺が悪かった」

「………」

「だから、顔あげて」



自分が出せる最大限のやさしい声音でそう言いながら、彼女の頭をそっと撫でた。

するとまおは、パッとひざから顔をあげて──。



「ひ、ヒロく……ごめんなさあぁぁい!!」

「わ、」



うわーん、とボロボロ涙を流しながら、勢いよく抱きついてきた。

俺は後ろにひっくり返りそうになったのをなんとか耐えて、その背中に腕をまわす。
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