偽善愛で夢を見て。



だから、

笑って言えたよ。






「ホントは、ずっと辛かった。


助けが、ほしかった。



誰かに判って欲しかった。




…お母さんに、お父さんに、ペスに……



家族、に……会い、た、いよ……」




初めて、口に出した。


心の奥に鍵を掛けて仕舞い込んでいたものが、溢れ出す。

堰を切ったように、思いが弾ける。



会いたい、会いたい。


連呼する度、思いは膨らむ。

紅の顔が、歪む。





だけど。














お前を、独りになんかしねぇよ。









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