裏面ワールドトリップ
ややあって、今度はハウスドルフさんが口を開いた。


「真琴は、どこから来たんだ?」


「裏側の世界。


この世界の裏側にも宇宙が広がっていて、星があって、人が国を作って暮らしてるんです」


「へぇー。

で、そこで何してるんだ?」



何もしていない。


こちらの世界での活躍ぶりとは対照的に、本来の私は「労働」「恋愛・結婚」という、人として当たり前の事さえ出来ずに、もがき続けている。



「真琴?」


ハウスドルフさんが私の顔を覗き込んだ。


真実を告げたら、がっかりされてしまうだろうか――



「……ハウスドルフさん。


私、本当は神様でも何でもないんです」


「うん。そんな気がしてた」


「私はどこにでもいる平凡な人間……

いや、平凡ですらない。

進退きわまって、誰からも必要とされてない、どうしようもない人間なんです」


「……」
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