裏面ワールドトリップ
ハウスドルフさんは立ち上がると、バルダクタル城の門の方へ

――家族が待つ家へ――

真っ直ぐ歩いて行った。



私も帰らないと。



ハウスドルフさんが去って行ったのと反対の方向

森の小道の入り口、そして、ローゼさんの家。



私はもと来た道を辿りながら、こちらの世界の風景を目に焼き付けていった。



光に満ちた庭園、象牙色のバルダクタル城、青空を横切る白い縞。


木漏れ日いっぱいの森の小道、その先にある小さな丸太の家。



本当は帰りたくなんてなかった。


このまま、こちらの世界にずっといられたら、どんなにいいだろう。


でも、帰らなければならない。
< 213 / 224 >

この作品をシェア

pagetop