年下彼女は嫌いですか?

side:?


務めている美容院の定休日である月曜の今日は
何をするでもなく自宅でだらだらと過ごしていた。
40にもなって彼女もいない俺に、両親はよく縁談の話を持ってくるが
どうにも気が乗らず、一度も席を持つことは出来なかった。


「ふぅ・・・・・」

煙草をふかし、時計に目をやると、指し示す時刻は7時
どうりで腹が減るわけだ。

この一本だけ吸い終えたら飯でも作るかと、肺いっぱいに煙を吸いこんだ


ピンポーン


?

こんな時間に来客?
宅配便ならすぐ声がするはずだが…


「どなたですか?」


返事はない

いたずらか?
不思議に思いながらも、玄関へ出てみると、一人の女の子が家の前で倒れていた

「!? 大丈夫か!!」

急ぎ助け起こしてやると、その顔には見覚えがあった

「ライ、ちゃん…? なんで…」

倒れていた少女は、幼い頃から知る、勤め先の近所に住むライだった

ぐったりと蒼白な顔で倒れている彼女に、ただ事ではないと思い、
とにかく寒空の下、いつまでも寝かせておく訳にもいかないので、家に運ぶ

(こういう時は、一人暮らしでよかったかもな…)

ライをソファに寝かせ、119番通報して事情を説明すると、警察も来るとのこと
不審者に襲われた可能性があるとして、話を聞きに来るそうだ。


だが、インターフォンを押してくれなければ、きっと朝まで自分はライに気付かなかっただろう
苦しそうな表情で眠るライを見て、早く救急車が来ることを願った


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