かけがえのない君のために
「・・・悔しい。あんたそんな子じゃなかったのに。悔しい。悔しい。悔しい・・・」


「私を変えてくれたのは蓮都くん。蓮都くんがいたから私は乗り越えようと思ったの。あなたは一生私にした傷を忘れないで。誰かを傷付けたくなったらこれを思い出して」


着ていた服を捲り上げて傷を彼女に見せつけた。


両手を口元に当てて絶句しても絶対に許さない。


だから・・・もう二度とこんなことしないで。


「・・・ご、ごめんなさい。本当に本当にごめんなさい」


泣きながら嗚咽を漏らす彼女。『ごめんなさい』そんな言葉が聞けるなんて思わなかった。


とにかく終わったんだ。


これでみんなが解放される。


「蓮都くん。終わったよ。もう終わったから二度と・・・私から離れないでね」
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