プリンセスの憂鬱【BL】(※仮)
 
「すぐに携帯買い換えろ」

「……っ、なんでだよ!?」

「番号もアドレスも全部変えろ!」

「だから何でそんな……」

「番号知られたんだろ? いつでもアイツはお前に連絡できる。また昔みたいに、アイツの存在に怯える事になってもいいのか!?」

「……っ、勝手に決め付けんな!」

「俺が昔の話を出しただけで怯えてる癖に。強がってんじゃねぇ」

「うるせぇ。……アイツに会った後、真兄から着信があったんだ。結婚式に出て欲しいって。勿論、行かねぇけど……だから、変えるならその、あと……」


 朔杜が怒るのは仕方が無い。

 それくらい、迷惑かけて来たんだ。


「連絡とりたいなら実家にすればいいだろ」

「真兄が出るとは限らない」


 朔杜に手を握られたまま、俺は盛大に溜息をついてシートに凭れ掛かった。

 そんな俺に朔杜も軽く溜息をひとつ。

 いい加減手を解こうと引いたら、逆に引かれて甲に口付けが落とされた。
 
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