不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
 恥ずかしいよ、俺だって。
でもどうしてもって、訊かないみずほ。

仕方なく……

ううん、本当は……


物凄く嬉しかった!


みずほの着信のみ……


『だってメールより嬉しいでしょ? 掛かってきたら、何をさて置き真っ先に出てね』
悪戯っぽく笑うみずほ。

凄く凄くドキドキした。


だって……

世界で一番愛してる!
って言われてるようなものだから……


みずほに交際を迫る時。
ごり押しだって言われる位に、押して押して押しまっくた俺。

だから尚更嬉しかったんだ。




 何時もの着信?
にしてはおかしい。


胸ポケットが物凄く……
激しく波打つ。

何かの予感……

俺の直感が、非常事態だと教えていた。


俺は慌てて自転車から飛び降りた。
横倒しなんて気にもしないで胸に手を持っていく。


手が震えている。
俺は指先を見つめた。


(――ヤバい!
みずほに何かがあった!)

昔から霊感があった。
だから余計に焦りまくる。


やっとの思いで、ポケットから携帯を出し手にした。
でもこんな時に限って携帯を落とす。

そして反対側から開けようとしたりする。

焦りまくる俺は、それだけでことの重大性に気付いていたのかも知れない。




 (――あーバカ何遣ってる!)

そんな思いでやっと開けた携帯から飛び込んで来た。


『助けてー!!』

それはみずほからのSOSだった。

携帯を持つ手がワナワナと震える。


「どうした!? 何があった!!」

でもみずほはそれ以上何も言わない。


「お願いだみずほ何とか言ってくれ!!」

でも返事はない。

俺は居たたまれなくなって、今来た道を蜻蛉返りしていた。

それが今、学校を目指している真相だった。



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