大人の恋愛~背徳の行方~
二度目の別れ
結局、その夜、螢は、梨桜を抱きしめながらベットに入ったが
梨桜は、一睡も出来ず、ただ体を震わせながら、涙した。

また螢も、梨桜を抱きしめながら、梨桜が泣いているのが解り、
2年前、自分が梨桜と強制的に別れた時も、梨桜は、こうして
泣いていたのかと思うと、自分の愚かさに、腹が立った。

しかし、真紀のお腹には、自分の子供がいることが現実となった今
螢は、これからをどうやって生きて行こうかと考えていた・・・。

会社を辞めて、梨桜と逃げようか・・・・・

それとも、梨桜と別れるのか・・・・・

螢は、梨桜との別れだけは、避けたかった・・・・・

だが・・・・・・・・・

螢も、本当なら、梨桜と別れて、梨桜に幸せになって貰えるような
相手を捜してもらうのが一番良い事は、十分に分かっている・・・

しかし、駄目なのだ・・・・・

今の螢なら、梨桜と別れるくらいなら、梨桜を道ずれに、心中も
考えられた・・・・

自分は、梨桜に対して、狂っているのかも知れない・・・・

そんな事を、螢は、一晩中考えていた。

翌朝、梨桜は、そっとベットを抜け出し、シャワーを浴びて
朝食の準備に取り掛かった。

「おはよう・・・・」

螢が起きてきた。

「おはよう、螢、顔を洗って来て。ご飯にしましょ!」

「うん、解った。」

梨桜は、笑顔で話しかけてきた。
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