大人の恋愛~背徳の行方~
朝食の後、梨桜は、幸子と義也につかまっていた。

「梨桜ちゃん、学部は?」

「はい、経済です。理さんと一緒です。」

「そう、梨桜は、俺と違って、頭いいから、教授たちも
 一目、置いているんだよな!?」

「違うわよ。私は、理と違って、努力しないと、ついて行けないから
 勉強しているだけ。きっと理が本気で勉強すると、私よりずっと
 出来ているはず。
 私は、理と違って、コツコツ派なの!」

「そうだな!梨桜は、コツコツやりながら、自分の物にしていくタイプ
 だよな!」
 
と、螢も話に参加してきた。

「でも、あの大学で、優秀って、凄いわね!」

と、幸子は感心ばかりしてた。

その幸子の様子を螢は、よく見ていた。

螢は、やはり付き合うにしても、幸子が気に入らないようでは、困る。

別に、マザコンではないが、やはり高丘の長男としては、出来る事なら
幸子から気に入って貰える女性と付き合いたかった。

そんな幸子の様子を眺めていると、梨桜が

「そろそろ、私、お暇させて頂きます。突然お邪魔して、
 申し訳ありませんでした。」

「あら、梨桜ちゃん、気にしないで。
 またいつでもいらしてね!螢や理なんかいなくても、遊びに
 来て頂戴!」

「はい、ありがとうございます。」

梨桜は、お礼を言うと、螢と一緒にマンションへ帰った。
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