大人の恋愛~背徳の行方~
結局、その後、香奈は、螢以外の高丘の三人と一緒に、東京観光に
出かけ、夕食までごちそうになって、マンションへ送り届けてもらった。

マンションに着くと、エントランスに、梨桜が待っていて、

「おじさん、おばさん、理、ありがとうございました。」

「いいのよ!香奈ちゃん、またこっちに来たら、遊びに来てね!
 待っているから。」

「香奈ちゃん、待っているから、また一緒に出掛けよう!!」

義也も幸子も上機嫌で、香奈と別れを惜しんでいる。

「おばさん、これ、少しですけど、食べてください。」

梨桜が、紙袋を渡すと、

「ありがとう、梨桜ちゃん。梨桜ちゃんも、螢がいない時に
 遊びに来てね!!」

「フフフッ、はい、螢がいない時に伺います。」

梨桜が、そう言うと、香奈は驚きながら、高丘家の人たちと別れた。

部屋に戻ると、香奈は

「お姉ちゃん、螢さんって・・・・・」

「元彼よ。まぁー、留学前に振られたけどね!!」

そう、明るく話す梨桜が、まだ螢を好きなのが香奈には解った。

香奈は、これからの姉の人生が、明るいものでありますようにと
願うだけだった。
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