ホストの居る公園のあ・た・し
会話は、誰かに何かを聞かれて、

それに対して何かを答えることで成立する。



あたしと彼女との会話もいつもと変わらない調子なのに、

あたしの頭の中に今日の昼間の出来事があったからなのか、それが頭に



こびりついて、男の子のことを聞かれているようにしか思えない。



だから、あたしの中で彼女が聞きたいことはすでに絞られていたのだけど、

そして、そのことをあたしは男の子のことを少し話したかったのだけど、


いつものように

「何が?」

と聞き返す。



まだ、非現実的な昼間の記憶の残るあたしには、

普段と同じ言葉を返すのが精一杯だったのかもしれない。



どうせ、突っ込まれたら話すことになるんだから、

わざわざ自分から話をすることも無いかなと思って。



なるべくいつもと同じ口調を振舞って彼女に答えた。
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