orders!
あれ以来、橋本さんが配達に来ても俺は目も合わせずに背中を向けたまま。
言葉も交わすことなく、忘れよう。消してしまおう。
そう思うのに頭の中から消えてはくれなくて、気付いたら後ろ姿を目で追ってる。
…早くどうにかしないとそのうちでかいミスしそうだ…。
そう思い、俺はじょうろの水を撒き終え店に戻ろうとした。
「あー!!いたー!」
「うお!?」
その時、背後からは突然の子供の声。
振り向くとそこには、髪を二つに結ったどこか見覚えのある幼稚園児くらいの女の子。
あれ、確か…。
そう、その子は橋本さんがあの日連れていた子供だと思い出す。