TABOO~それぞれの秘密~
向かった先は、これまでの傷みを跳ね返すため、そして自分を作りかえるための場所。
「ここ、最近改築したんだ」
私の手を引いて校舎に入る男の背中を、緊張感に満ちた体で見つめながらついて行く。
「あ、夢美っ、来たんだ。夢美と朔先生が来たよー」
私と朔を見つけた同級生が大声で叫んだ。校舎の奥の部屋からあふれ出てきた懐かしい顔ぶれに、私の鼓動は弾む。
「良かったー。結局二人はうまくいってるんだ。卒業してから朔先生とは地元で『夢美とは幸せにやってる』って聞いて安心してたけど。こうして並んでるの見るとほっとする」
は?……このオトコ、嘘つきだ。