竜の唄
とりあえず先程のように芝生を成長させ馬の動きを止めた。
すると、残った鳥の体が淡く光っていることに気が付く。
「イアン、その鳥術を使おうとしてるわ!」
「ん? おお!」
指摘すると、宣言通り一羽地に叩き落としていたイアンがそちらに目を向けた。
その場で剣を大きく振りかざし、斬撃を飛ばす。
「あれどうやってるのかしら」
斬撃って飛ぶものなの?と、術を邪魔されよろめいた鳥を見つつロゼは首を傾げた。
気を取り直して魔法陣の上で術を使う。
小さな術なら発動は一瞬だ。
成長した芝生に絡め捕られミシミシと体を締め付けられていた馬の魔物に向かって、雷を召喚した。
雷撃が馬の体を貫き、二体は呆気なく消える。
「威力がすげえな」
一発か、と肝をひやすリアスに、何故かイヴが得意げに鼻を鳴らした。
二体を片付けたロゼがイアンに目を向けると、彼は地に叩きつけた鳥の魔物に縦に斬りかかり、そのままその後ろから前足を振り上げイアンを踏みつぶそうとしていた馬に横振りに刃をくれていた。
鳥は消え、馬は怯む。
もう一体の鳥の魔物はというと、そんなイアンを上空から狙っていた。
「あら」
鳥か、とらえにくいなあとロゼは唸る。
とりあえず、と魔法を発動し、小さな火の玉で射ち落とした。