青空の下へーその手に願いを込めてー
そんな私のなんとも曖昧な表情を読みとったのか、東野先生が私の診察結果の紙をこちらに渡してきた。

「悪いんだけどは音羽ちゃん、これ、明原先生に届けてはくれないかい?今は明原先生が音羽ちゃんの担当だから、渡さないといけないんだけど…いやー、参ったね、今ちょっと忙しくってさぁ」

わざとらしくつらつら言葉を並べる東野先生。

それからパチッと星が浮かびそうなウインクをする。

なんともキザである。
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