本気で大好きでした。


「理緒?大丈夫?」

「お父さんと那緒くるってさぁ。やっぱりちょっと不安で…あは」


きっとこんな作り笑いも、彼方にはバレてるんだろうなぁ…


「おれの前では作り笑いすんなよ…」

「ごめん…」

「ついて行ってあげようか?理緒がいいなら」

「えっ?いや…そこまで彼方に迷惑かけるわけにいかないし」

「だからー、おれが理緒を守るって」


すっごく嬉しかった。

だけど、今日くらい…

今日くらいは自分の力だけで頑張ろうと思った。


「また泣きそうになったら、彼方に電話して迎えに来てもらうから大丈夫」

「わかったよ」


そう言って彼方は微笑んだ。


「じゃああたし帰るね。昨日も今日もありがとうね」

「気にするな、きおつけて帰れよ」

「わかってるよ… じゃあね。すぐ電話しちゃうかもしれないけど」

「電話きたらすぐ迎えにいけばいいんだろ?」

「うんっ、バイバイ、彼方!」

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