本気で大好きでした。


「あたしね、レオのこと本気で好きだったわけじゃないの。

ただ、そばにいてくれる人が欲しかったの… 

それで、レオに見えるように浮気みたいなこともした。
まぁ相手はただの友達なんだけど。

なのに…レオはね、なにも言わないの。あたしはレオから別れ話して欲しかったの…」


そうポタポタ涙を流し始めるれな。

そして、そっと開いたリビングのドア。


「なぁ、れな…。なんでだよ」


来たのは……… レオだった。


「なんでいるの…?ねえレオ」

「本気じゃないってどうゆうことだよ。昨日俺に愛してるって言ったよな?」

「あれは本当だよ… だから別れたいの」


あたしの頭に浮かんだのは“?”のみ。


「ねえなんで愛してるのに別れるの?」


あっ、やっば…。つい口が……


「正直愛する事が怖いんだよ。理緒は平気なの?

大好きだったお父さんに捨てられて、大好きなお母さんにも見捨てられてさ…

だから、あたし… 愛することがトラウマになって…。だから…」

「俺はっ!れなを見捨てもしないし捨てたりもしないから。だから別れるなんて言うなよ…」


そう言って、レオまで涙を流し始めた。

そして、れなを抱きしめて2人で泣いていた。

邪魔してはいけないと思い そーっと出て行った。


そしてあたしは、れなが沸かしてくれていたお風呂に入った。

白く濁ったお湯。お湯からは、れなの好きだったゆずのにおいがした。


なんだかんだ言って、自分の家がやっぱり落ち着く。


妹の素直な気持ち(?)を聞いて、ちょっと複雑な気持ち。


< 104 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop