本気で大好きでした。
「あたしね、レオのこと本気で好きだったわけじゃないの。
ただ、そばにいてくれる人が欲しかったの…
それで、レオに見えるように浮気みたいなこともした。
まぁ相手はただの友達なんだけど。
なのに…レオはね、なにも言わないの。あたしはレオから別れ話して欲しかったの…」
そうポタポタ涙を流し始めるれな。
そして、そっと開いたリビングのドア。
「なぁ、れな…。なんでだよ」
来たのは……… レオだった。
「なんでいるの…?ねえレオ」
「本気じゃないってどうゆうことだよ。昨日俺に愛してるって言ったよな?」
「あれは本当だよ… だから別れたいの」
あたしの頭に浮かんだのは“?”のみ。
「ねえなんで愛してるのに別れるの?」
あっ、やっば…。つい口が……
「正直愛する事が怖いんだよ。理緒は平気なの?
大好きだったお父さんに捨てられて、大好きなお母さんにも見捨てられてさ…
だから、あたし… 愛することがトラウマになって…。だから…」
「俺はっ!れなを見捨てもしないし捨てたりもしないから。だから別れるなんて言うなよ…」
そう言って、レオまで涙を流し始めた。
そして、れなを抱きしめて2人で泣いていた。
邪魔してはいけないと思い そーっと出て行った。
そしてあたしは、れなが沸かしてくれていたお風呂に入った。
白く濁ったお湯。お湯からは、れなの好きだったゆずのにおいがした。
なんだかんだ言って、自分の家がやっぱり落ち着く。
妹の素直な気持ち(?)を聞いて、ちょっと複雑な気持ち。