本気で大好きでした。
【着信:横瀬 彼方】
タイミング…
「はい。」
『おれだよ、彼方』
「知ってるよ」
『だよな。元気か?理緒』
“理緒”って、そんなに寂しそうな声で呼ばないで。
彼方の何気ない一言であたしはすべて彼方のペースに持っていかれるんだよ。
「……あたしは元気だよ」
『そっか。理緒、泣かなかったって聞いたよ』
「うん。まぁね」
『大丈夫?』
「大丈夫なわけないじゃんか。骨になったお母さんと、鼻につく線香の匂い。正直あの匂いと、お母さんの遺影みるだけで吐きそうだよ。」
『そっか…。大丈夫なわけないよな』
「そっかじゃないよっ!もう我慢したもん。助けてよ、彼方!」
『おれ、理緒守るって言ったよな。本気で守ってやるから。待ってろ』
「……うん」