本気で大好きでした。
* * *
「ハァハァッ、理緒、待たせたな」
「全然待ってないよっ、15分かかってないっ!汗だくじゃんかぁ…」
倒れた自転車と、回り続けるタイヤ。息が荒れて、汗だくの彼方。
力強くあたしの両肩をつかんだ彼方。
「おれ、この約束は守るって決めたから。」
「うん。ありがとう。」
真剣な目をしながらそう言った彼方。
あたしが「ありがとう」と言うと、優しくうなづいてくれた。
とりあえず家にあがることになり、水で絞ったタオルを渡した。
お風呂も沸いてるんだけど、ウチには男物の着替えなんてないからね。
「大丈夫か?理緒。苦しんでないか?」
あのね、彼方。
苦しんでいるのは彼方のことだよ。
“和華ちゃん”だっけ。彼女いるんだよね。
なのに、なんで?
けど、ごめんね。和華ちゃん。
あたし、彼方を諦められそうにないや。