本気で大好きでした。


* * *


「ハァハァッ、理緒、待たせたな」

「全然待ってないよっ、15分かかってないっ!汗だくじゃんかぁ…」


倒れた自転車と、回り続けるタイヤ。息が荒れて、汗だくの彼方。

力強くあたしの両肩をつかんだ彼方。


「おれ、この約束は守るって決めたから。」

「うん。ありがとう。」


真剣な目をしながらそう言った彼方。

あたしが「ありがとう」と言うと、優しくうなづいてくれた。


とりあえず家にあがることになり、水で絞ったタオルを渡した。

お風呂も沸いてるんだけど、ウチには男物の着替えなんてないからね。


「大丈夫か?理緒。苦しんでないか?」


あのね、彼方。

苦しんでいるのは彼方のことだよ。

“和華ちゃん”だっけ。彼女いるんだよね。

なのに、なんで?

けど、ごめんね。和華ちゃん。

あたし、彼方を諦められそうにないや。


< 117 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop