本気で大好きでした。
「兄ちゃんには精神的暴力っていうのかな。母さんに閉じ込められて勉強しなきゃ怒鳴られて。けど、そっちのほうがいいよな。将来役立つしさぁ」
ハハって笑いながら窓の外を見つめる彼方。
その彼方の眼がすごく悲しそうだった。
「…無理して笑わなくていいから、気遣わないで」
「ごめん。おれのこと嫌いになった?」
「なんで?彼方悪いことしてないよね?」
「ありがとう、理緒」
「けどなんでお母さん暴力なんて…」
「おれの存在が気に入らなかったんだよ。
兄ちゃんとおれ、父親違うんだ。 あの家は兄ちゃんの父親のもので、その父親からは生活費も2人分振り込んでもらっててさ。
けどおれの存在がバレたら家も金もパーになるらしいんだ。
だから母さん、無意識のうちにおれを殺そうとしてたんじゃないかな」
彼方を殺そうと…?
家とお金のために?
彼方とお金は同価値なの?
「なんで理緒が泣くんだよ」
なんでそんなに悲しい顔をしながら、笑ってられるの?
自分が一番悲しいはずなのになんで、あたしの頭撫でて落ち着かそうとしてるの?