本気で大好きでした。


「兄ちゃんには精神的暴力っていうのかな。母さんに閉じ込められて勉強しなきゃ怒鳴られて。けど、そっちのほうがいいよな。将来役立つしさぁ」



ハハって笑いながら窓の外を見つめる彼方。

その彼方の眼がすごく悲しそうだった。



「…無理して笑わなくていいから、気遣わないで」

「ごめん。おれのこと嫌いになった?」

「なんで?彼方悪いことしてないよね?」

「ありがとう、理緒」

「けどなんでお母さん暴力なんて…」

「おれの存在が気に入らなかったんだよ。

兄ちゃんとおれ、父親違うんだ。 あの家は兄ちゃんの父親のもので、その父親からは生活費も2人分振り込んでもらっててさ。

けどおれの存在がバレたら家も金もパーになるらしいんだ。

だから母さん、無意識のうちにおれを殺そうとしてたんじゃないかな」



彼方を殺そうと…?

家とお金のために?

彼方とお金は同価値なの?


「なんで理緒が泣くんだよ」


なんでそんなに悲しい顔をしながら、笑ってられるの?

自分が一番悲しいはずなのになんで、あたしの頭撫でて落ち着かそうとしてるの?

< 121 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop