本気で大好きでした。


「彼方のお父さんは?」

「おれは会ったことないんだけど、相当なクズ野郎って聞いた。」

「彼方は何も悪いことしてない。彼方があたしを守ってくれるって言った。あたしが彼方を守ってあげるから。」

「かわいいやつだな、ありがとう。」

「お互い様ってやつでしょ」

「兄ちゃんから聞いた話だけど、兄ちゃんの父親はどっかの社長。不倫でデキて母さん捨てられたらしい。そんでもって、おれの父親はダメ男。暴力振るうし、アル中、ギャンブラー、働かない。そんな感じ。」


今まであたしの目にはすごく大きな背中に見えていた。

だけど、周りの人と同じ16歳。

まだ16歳なのに。背負ってるものが多きすぎだよ。


「最近はずっと家にいなかったのに、今朝ひょっこり帰ってきたんだ。その瞬間フラッシュバック?起きてさ、“彼方”って呼ばれた時は恐怖で体動かなかったよ」

「今日は何もされなかったの?大丈夫?」

「大丈夫。けど再婚して相手の家で暮らすから、連絡してこないでね。明日には出て行くからね~って。笑っちゃうよ本当」


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