本気で大好きでした。

「ごめん、美桜っ!今日はやっぱいいや…」

「うんっわかったよ。急いでるんでしょ、早く行きなっ」


美桜、ごめんね。ありがとう。




精一杯走るけど、


でも……ここから中央病院はどうやっても、車で30分はかかる。


お財布の中身を確認して、近くを走っていたタクシーを止めた。


「すいません!!中央病院まで急いでっ!!」


ポカーンとしてる、おじいさん。


でも、一分一秒ずつが無駄だと感じてしまう。

早く、お母さんに会いたくて。



「早くっ!!」

「はいっ」



ねぇ、おじいさん。

なんでそんなに驚いてるの?


こんな時間に高校生がいることが?

こんなに慌ててることが?

こんなに口が悪いから?


こんなに強がりながら泣いてることが───────?



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