本気で大好きでした。

「うちのぷぷ見る?

マジでかわいいから。

おれの唯一の家族なんだからなっ!」


“唯一の家族”


ねえ、彼方……

彼方には何があったの。

聞きたいけど、聞けない。

あたしは“ただの友達”なんだから────……



そう言って彼方は、ケータイを取り出して写メを順番に見せてくれる。

途中途中、彼方と男の人とぷぷの

スリーショットが写ってることがある。

でも、彼方は見る時間も与えず、次の写メにしていく。


「かわいい!」


彼方と、ダックスが写った写メが最後だった。


「だろー♪ ぷぷはホント癒しなの」

「それにしてもなんでぷぷなの?」

「知らん。俺がつけたわけじゃないし!」


てっきり彼方がつけたのかと思ってた。

ぷぷかぁ、羨ましいなぁ。

癒しがあることと、そして家族がいること。


「理緒さ、昨日に比べて笑うな」

「面白かったら笑うよ」

「昨日、帰り際空気悪くしてごめんな」

「彼方のせいじゃないじゃんっ!」

「まあ、そーなんだけどなっ!」


そう言って笑う彼。

今日も太陽のような、向日葵のような笑顔が輝いている。

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