~宿命~
生意気な子供の相手をして1時間。
ようやく買い物から母親が帰ってきた。
俺らに礼すら言わず、帰ってくるなり子供をなでまわしていた。
明隆:「んじゃ、俺らはこれで。」
母親:「あっ!帰るとき靴列べといて下さる?」
明隆:「…行くぞ。水和。」
俺はお手伝いさんでも召使いでもない。
オバハンの言葉を無視して出て行った。

水和:「ねぇ、明隆さん!いいの?」
明隆:「当たり前や!俺らはババアにこき使われに来たんじゃねぇ!今度、依頼を申し込んだらハンマー持って馬鹿でかい屋敷をぶっ壊しに行ってやる!」
水和:「ハハハ…過激なんだね。」
明隆:「うっせぇ。」
水和:「褒めてるんだよ~。」
二人が細い路地を歩いていると前から全身真っ白な奴らが歩いてきている。
水和:「ねぇ。あれ何?」
明隆:「さぁ~。分からん。頭イッてる奴やろ?あまり見るなよ。無駄な争いは邪魔くさいから。」
不気味な集団とすれ違う時、俺は見てしまった。
肩に小さく『誤心会 特攻心』と赤の刺繍(ししゅう)でほどこされていたのを。
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