~宿命~
布団に横になると、水和が心配そうにジッと見つめてくる。
明隆:「何?」
水和:「怪我してない?」
明隆:「した。」
水和:「えっ!?ウソっ!大丈夫なの?」
目がまだ慣れてなく、暗くて見えないが、飛び起きたのは分かった。
明隆:「大したことじゃねぇから寝ろ。心配してくれてありがとな。」
心配されて嬉しく思わない奴などいない。
自然に笑みがこぼれた。
水和:「ねぇ。」
明隆:「ん?」
水和:「あの…ありがとうね。助けてくれて慰めてくれて。」
明隆:「気にすんな。それより早く寝ないと屁こくぞ!」
下品極まりない言葉で誤魔化したが、すごく照れくさかった。

翌日、知り合いの警察から連絡があり、床下から盗まれた一部の品が見つかった。
それまでの物は売っていたと報告された。
俺にとったらどうでもいい終わった話に過ぎなかったが。
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