～宿命～

握りにくいが、強度は抜群だった。
俺は足場にしていた根っこを軽く蹴り、安居が持っている根っこに飛び移った。
読み通りそれでもびくともしない。
明隆：「慎重に俺の首に腕をかけてしがみつけ！」
安居：「無理だよ。」
明隆：「やってもないのに諦めるなっ！信じろ。」
指示通り、ゆっくりと俺の首に腕をかけて背中におぶさるようにしがみついた。
正直、呼吸がしにくく頭に血が上るのを感じる。
それでも力を振り絞り、一歩一歩確実且つ慎重に登って行った。

その後、なんとか死なずに崖を突破した。
明隆：「ハァハァハァ…重かった…ハァハァ…」
安居：「失礼ねぇ…ありがとうね。私の為に。」
明隆：「ええよ。別に。帰ったらミルク奢ってもらうから。」
安居：「うん！お腹ゆるゆるになるくらい飲ませてあげる。」
明隆：「ゆるゆるになったらびちびち祭りじゃ！」
安居：「汚ぁ～！最低～！」
明隆：「最低を最高に変えてやるぜ！」
安居：「分かった分かった。さぁ、行こう！」
明隆：「俺の名言を無視するな！ペチャパイ！」
安居：「うるさいなぁ。ずんぐりむっくりのくせに！」