~宿命~
安居の母:「分かったわ。ここに座って聞いてちょうだい。」
俺は高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ソファーに座った。
安居の母:「朋香は骨を折って意識を失ったの。その時、倒れ方が悪かったのか頭を打っていてね。目を覚ましても一部の記憶がないかもしれないらしいのよ。その一部って言うのが気を失う前に考えた事だって言われたわ…つまり貴方の事よ。」
明隆:「…何故分かるんです?朋香が俺の事を…考えてたって…。」
安居の母:「この子は貴方の事しか話さず、任務の話は一切話さなかった。この子が危険にさらされた時、いつも貴方が助けてくれていたんでしょ?今回は他の人とだったらしいけど、この子は貴方しかみていなかった。元、バトル・メンバーの私には分かるの。私の夫も貴方みたいに真直ぐな目をしていていつも助けてくれた。私は夫が傍に居なくても心の中で常に守ってくれていたわ。」
明隆:「…は、…にもして…なかった。俺は、何もしてやれなかった。傍にいてあげたかった…。」
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