~宿命~
第17章 嵐の前の静けさ
新石:「キミが帰って来る前の日、安居ちゃんから一本の電話がかかってきたんだ。〔暇だから任務にいく〕と。そこで僕は明隆君との約束を思いだし、護衛にレベルⅠの子を連れて行かせた。任務は周囲情報収集だったから危険はないと考えたんだ。それから数時間後、任務を片付けたと連絡があってほっとしたんだけど、その30分後ぐらいにレベルⅠから電話がきて〔誤心会から攻撃を受けて安居さんが大怪我をしている〕って言って来たんだ。逃げる時に溝(みぞ)に足を取られて折ったらしい。僕が知ってるのはそこまで。そこから病院に運ばれたんだ。」
明隆:「本間か?」
新石:「嘘はつかないよ。」
明隆:「じゃあ、何で俺に電話した時、〔一人で行かせた〕って言ったんや?レベルⅠも一緒やったんやろ?」
新石:「後で合流したからねぇ。」
新石の喋り方が気に食わなかった。
普段は何とも思わないのだが、今は状況が違う。
明隆:「もうええゎ。喋るな。それで、レベルⅠは何処に居る?」
新石:「彼なら試合室でキミを待ってるよ。」
明隆:「そうか…。」
殴りたい気持ちを必死で押さえる。
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