偽りの婚約者




「……だから、喫茶店を潰そうとしたのか?」



「そういう事だね。ははっ……もうあの店は駄目だろうな!
父親も入院したようだし、これで少しは気が晴れた……」



「事業が失敗したのは、あんたのやり方が間違っていたんじゃないのか?
こっちのせいにして喫茶店まで潰そうとするなんて、どうかしてるな」



「立場を考えてものを言ったらどうだ?
期限までに返せなかったら――――――――」



「……あんた、本当に最低な人間だな」





滝本慎一は何も言わず、薄ら笑いを浮かべていた。



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