偽りの婚約者




「それでは……お時間です。行きましょう」


「はい……」


少し長いウェディングドレスを引きずりながら、控え室を出る。



扉の前で待っていた父と腕を組み待っていてくれる彼の元に……少しずつ進んで行く。



東條さんの元に辿り着くと彼は笑顔で私の手を取り、二人で祭壇に進んで行った。




これから先きっといろいろな事があると思う。
でも、東條さんとだったら一緒に乗り越えていけるはず。



きっと、大丈夫。




「それでは指輪を――…」



神父さんの言葉にあわせて指輪がお互いの薬指に、はまった。



そのまま、誓いの口づけを交わす。


「……千夏、幸せになろうな」


「……はい、これからもずっとずっと───……」









-END-

< 255 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop