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 「彼女さんとかいらっしゃらないんですか?」
 調合したアロマをソファーの前にある木製のテーブルに置いた。あら、と絹枝の表情が綻ぶ。この綻ぶ瞬間を胡桃は大事にし、明日への糧にしている。そう、嬉しいのだ。
 アロマを堪能した絹枝は表情を反転させ、「彼女?必要ないです。そんなもの」と声だけで辺りを闇にするような気迫を放った。
「でも、恋愛の一つや二つしとかないと、大人になってから女性を知らない、とかでなじられますよ。あまり縛りつけてしまうと、逆に大人になってストーカーになったりして」
 ストーカー、と強調して再度、胡桃は言った。
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