ノスタルジア
「彼氏さん、かっこいいね」
「……」
……た、確かに澪はかっこいい。
しかし、私の彼氏ではないのだ。
きっと。
どうしたらいいか分からずに、私は曖昧に頷いた。
時折、鏡に映る私の髪のバランスを確認しては手慣れたようにハサミを動かす。
「彼氏さんのどんなところが好き? あ、嫌だったら答えなくてもいいからね」
美容院で働く人は結構おしゃべりなのだと思いながら、次から次へと交わされる会話に答えていく。