不機嫌honey
誰にでも優しいし、たくさん友達いるし。



性格が悪いあたしと違って、ユウリは社会的にやってける人間。



「そういえば社長さんからメール来たよ。シュリにも送ってるはずだけど見てない?」

「今見る」



滅多に鳴らないケータイは気にもしないから。



社長からのメールが1件。



打ち合わせがあるとかで、日時と場所が書いてあった。



「めんどくさ…」

「僕は楽しみだよ」

「あたし、仕事始めたら黙っとくことにするね。ユウリに迷惑かけそう」

「シュリはシュリのままでいいよ。僕がやりたくてもやれないこととか、シュリならやってくれるから。見てるだけで嬉しくなるしね」

「寛大だよね、ユウリって」

「だからシュリがワガママに育っちゃったのかな?」



そうかもしれない。



仕事で忙しかったお父さんの代わりに、家事なんかも全部やってくれてた。



あたしは自由で、ワガママだったな…。



だから今回はユウリのために頑張る。



迷惑にならないようにしよう。



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