不機嫌honey
ヤキモチって、好きな子に焼くんじゃないの?



「思わせぶりな態度にはうんざり。あたしが澪王のこと好きなの知っててからかってんでしょ?」

「…………」

「いつまでも澪王のこと好きだと思わないでよね。その気になれば彼氏のひとりやふたり、明日にでもできるんだから」



うぬぼれんな。



あたしにだって限界ってもんがあるんだ。



冷蔵庫から水を出してゴクゴク飲んだ。



気づかないうちにそばに来た澪王にペットボトルを奪われる。



「ちょっ…」

「だったら作って来いよ。俺は何にも言わねぇから」

「何で澪王がキレんの!?」



顔が怖い。



今まででいちばん、澪王が怒ってる気がする。



「お前に振り回されてんのは俺だろうが」

「はぁ!?」

「他の男に懐いてんじゃねぇよ…」

「澪王っ…!?」



この強引なキスはどんな意味?



澪王の力になんか勝てるはずがない。



そして、こんな状況なのに嬉しいなんてバカなあたし…。



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