BLACK or WHITE



「苦ッ!!」

「は?」

「ちょっと、砂糖入れた?」

「入れましたけど、一本」

「少なすぎるでしょ?!うわ、信じらんない」




……いや、信じられないのは、私ですけど。


コーヒーはブラックが好きな私からすれば、砂糖やミルクを入れる方が邪道だというのに。

彼は立ち上がると、スティックシュガーを二本つかんで、また席に戻ってくる。


うわ、気持ち悪…。

砂糖を三本も入れて飲むなんて、それはもはやコーヒーじゃない気がする。


「砂糖汁…」


小さくつぶやいて、私はそれきり彼の存在を忘れたように、仕事を再開した。


< 4 / 114 >

この作品をシェア

pagetop