BLACK or WHITE


「…ねぇ、ちょっと」

「ん?」


俺は彼女を手招きして、内緒話をするように、彼女の耳に唇を近づけた。



「───ここが会社じゃなかったら、襲ってるよ?」



囁いた言葉を理解した途端、彼女は再びかぁーと赤くなる。

そして、キッと俺を睨みつけたかと思うと。



──ドスッ



「ぐはっ?!」

「変態!!」

「いや、綾香さん、殴るのは反則…」


弱々しく言った言葉には耳も貸さず、彼女は立ち去ってしまった。






『甘 + 苦 = ?』fin.

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