ひまわりの涙
鏡はいぶかしげな顔をしたがそれ以上は話さなかった。

窓の外に目をやると見慣れた景色が流れていく。

「ここは…」

突き当たりの路地を左折すると住み慣れたアパート。

「鏡さん?ここは…」

外に目をやりながら呟いた。

「俺も全て知っていた。さっきの様子を見て全て知った事を確信したからここに連れてきた。自分の目で確かめるといい」

そう言ってアパートの横に車を止めた。

鏡は助手席側に周りドアを開けてくれる。

けど靴を履いてない私は降りれないことに戸惑っていると、後ろからクロックスを取り出し差し出してきた。

「俺のだ。大きいだろうが裸足よりはましだろう」

「ありがとう」

かなり大きいが鏡の優しさに甘えることにし、車を降りて自分が住んでいた部屋へと歩いていった。

「あっ、鍵…」

部屋の前にきてそう言うと鏡が鍵を取りだし開けてくれる。

「引っ越しは俺がやった」

そう言って先に中へはいっていった。
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