・*不器用な2人*・(2)
「城島は、今日も居残るつもりなの?」
梶君は城島君の手からパッとボールを取り上げる。
城島君は少しだけ声を上げたものの、とり返すつもりはまったくないようで、すぐに笑顔になった。
「ちょっとだけ練習してすぐに帰るつもり」
「すぐって何時」
体育館の壁に掛けられた時計はすでに6時を過ぎている。
生徒は帰らなければいけない時間のはずだ。
あと10分15分ならまだいいけれど。
「城島は7時までだよね」
背後から明るい声が聞こえてきた。
慌てて振り返ると、2年生と思われる生徒たちがまたゾロゾロと更衣室から出てくるところだった。
声をかけたのは、その中でも一際背の高い、パッと目を引く男子。
半袖制服から伸びた細く長い両手にはリストバンドが巻かれていて、その上からパワーストーンの類と思われるブレスレットを巻いている。
この子だ、と直ぐに分かった。
梶君は城島君の手からパッとボールを取り上げる。
城島君は少しだけ声を上げたものの、とり返すつもりはまったくないようで、すぐに笑顔になった。
「ちょっとだけ練習してすぐに帰るつもり」
「すぐって何時」
体育館の壁に掛けられた時計はすでに6時を過ぎている。
生徒は帰らなければいけない時間のはずだ。
あと10分15分ならまだいいけれど。
「城島は7時までだよね」
背後から明るい声が聞こえてきた。
慌てて振り返ると、2年生と思われる生徒たちがまたゾロゾロと更衣室から出てくるところだった。
声をかけたのは、その中でも一際背の高い、パッと目を引く男子。
半袖制服から伸びた細く長い両手にはリストバンドが巻かれていて、その上からパワーストーンの類と思われるブレスレットを巻いている。
この子だ、と直ぐに分かった。