・*不器用な2人*・(2)
亜衣ちゃんというのは、鈴木亜衣という私たちと同学年の生徒で、性別は正真正銘の男だ。
名前からは想像もできないような立派なガタイと泣く子も絶叫するような悪人相が特徴で、見た目の通り中身も最悪だ。
「名前、似合わないよなぁ」
梶君が言うと、狸寝入りのはずの芳野君が鼻で笑った。
「亜衣って、あいつの母親の名前だから」
「やっぱり女の名前だったんだ……」
めぐちゃんの言葉に芳野君は小さく頷いた。
「鈴木と一緒に住むってどんな感じなの」
浅井君に訊ねられた石田君は小さく首をひねりながら「別に……」と小声で言った。
「あいつがDQNなのって、外でだけだよ。
家の中じゃ1番家庭的だし面倒見もいいし……」
「亜衣ちゃんは最年長だから」
芳野君がそう付け足す。
――そう言えば、ボランティアで中学時代から通ってたんだっけ……。
かつて聞いたことを思い出しながら、やはり「似合わないな」と思ってしまった。
名前からは想像もできないような立派なガタイと泣く子も絶叫するような悪人相が特徴で、見た目の通り中身も最悪だ。
「名前、似合わないよなぁ」
梶君が言うと、狸寝入りのはずの芳野君が鼻で笑った。
「亜衣って、あいつの母親の名前だから」
「やっぱり女の名前だったんだ……」
めぐちゃんの言葉に芳野君は小さく頷いた。
「鈴木と一緒に住むってどんな感じなの」
浅井君に訊ねられた石田君は小さく首をひねりながら「別に……」と小声で言った。
「あいつがDQNなのって、外でだけだよ。
家の中じゃ1番家庭的だし面倒見もいいし……」
「亜衣ちゃんは最年長だから」
芳野君がそう付け足す。
――そう言えば、ボランティアで中学時代から通ってたんだっけ……。
かつて聞いたことを思い出しながら、やはり「似合わないな」と思ってしまった。