続・鉢植右から3番目
彼に、知られてしまった。
問題は、私がそれを大いに気にする、という事なのだ。
はあ~・・・と何度目かのため息。
ウィンドー越しの夏の朝の町と、爽やかなカフェの中の素敵なざわめき。
こんな素晴らしい空間の中で、私一人が重力に負けて地球にのめり込みそうになっている。
「・・・・ううー」
両隣に聞こえないように、小さく口の中で唸る。いっそ、のめりこんでしまいたい。
自分が気にするのは自分の勝手だ。過去のことをきにする余りに今の生活をおろそかにしてしまうのなんて、バカげている。
それは十分判っていた。
だから、解決策はただ一つ。
――――――――ヤツに、聞こう。
コーヒーカップを静かにソーサーに戻した。
両手を合わせて、ご馳走様でした、と小さく呟く。
面と向かって、私の過去の話をどう思ってるのかをちゃんと聞こう。それで「別に」でも何でもいいけど、何か言ってもらえたら、心の底から安心出来る・・・・かも、しれない・・・。
そればかりはその時にならないと判らないか。