小さな初恋
「違う。
花柄は彼氏いるから…」


じゃぁ、

なんで俺は泣いてんだ?



何が辛いんだ?


「葵か?」



そう言った兄貴の顔は、

初めて見る表情だった。





「…なッ…なんで?」


冷や汗を流す俺を、

真っ直ぐに兄貴は見つめた。




「好きなんだろ?葵が…」


確信をつく兄貴。

こんな話を、
兄貴としたことはないから…


変な気持ちだ。




「……」


黙ったままの俺に、兄貴は言い放った。




「見たんだ…葵とキスしているところを…」













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