悪魔的に双子。
「俺と成海は幼馴染なんだ」


めんどくさい間を置いて、新田はようやく話しはじめた。


「幼馴染?なんか意外」


有志が聞いたら驚くだろう。


「まぁ、俺と成海じゃ全然キャラ違うしね。でも家は隣も隣、こんな低い塀で区切られてて、二階にある俺の部屋からは成海の部屋が見える。」


新田はニッと笑った。


「幼馴染で、親友でもある。」


新田の言葉にわたしはキョトンとした。


「親友?でもはたから見たらすごい仲悪いよ。ううん、むしろ田城くんが新田くんを嫌ってるように見える。」


首を傾げて尋ねると、なぜか新田はあははっと心底楽しそうな声で笑った。


「やっぱ青ちゃん好きだな~天然でぐさっとくること言っちゃう無垢な瞳が」


……褒められてるんだろうか、いや、むしろ責められた?


「ぐさっときたなら、ゴメン」


どう反応していいのか分からなかったのでとりあえず謝ると、新田はまた笑いはじめた。


思わずむっと唇を尖らせる。


笑われている身としては腹立たしいが、新田が普通に笑っていることに少しほっとした。


先ほどの弁当タイムのカラ元気は見ていてちょっと痛かった。


こいつは、ヘラヘラ笑ってるのが似合うやつだから。


「……続きお願いします」


「あー、ゴメンゴメン」


あんまり笑い続けるので我慢できず続きを催促した。


頬に笑いの名残を残したまま、新田は再び話しはじめた。


「俺と成海は小さい頃から何するのも一緒だったんだけど、小六の時にはじめておんなじクラスになって……まぁ、そのクラスでちょっとした問題が起こったんだ。

俺、小五くらいの頃からもうこんなんでさ、茶髪で…ピアスはしてなかったけど。

女子受けは良かったんだけど、男子から見たら、なんだよこいつって感じだったんだろうね……クラス始まって少しして、いじめ、みたいなのされるようになった。」


そこでいったん言葉を止めて、新田は何かを吐き出すように、はぁーっとため息をついた。


思い出したくないことを思い出させているのかもしれない。


でも、わたしの自分勝手な好奇心と、過去の後悔から救ってくれた田城に何か返したがってる蓮のことを思う気持ちがわたしに、もういいよ、と言わせなかった。


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