僕を刻み込む…
【恋】
ずっと好きだった。
きっと、あいつより…ずっと前から…
「連夜?大丈夫?」
『え!?あ、あぁ…』
[しっかりしろよ?来週はライブだぜ?]
『本当に…ごめん…』
俺は親友の海里とバンドを7年している。
[今日は合わせて練習だな]
『あぁ、頑張って決めようぜ』
7年間一緒にやってきただけあると思う。俺らの演奏は、少しずつではあるが、上手くなってきている。
「順調にいってるね!!」
そして、バンドのメンバーと言っても過言ではないくらい、俺らの演奏を聞いてくれている、咲。バンドのファン一号だ。
「今度のライブ、頑張ってね!!」

『あぁ、ありがとう』

実を言うと、俺は咲が好きだ。
いつも応援してくれる。優しくて、笑顔が素敵だ。ここ1年くらい、【片想い】をしている…

海里と咲は付き合っている。俺が片想いをしている事は、誰も知らない。
[あ!ちょっと忘れ物した!!取ってくるわ~]
『「いってらっしゃーい」』
ガチャン。
少しの沈黙…
「連夜、頑張って練習してるんだね!偉いなぁ~!!」
『え?』
「指とか見たらわかるよ!会うたんびに上手くなってるし…凄いなぁ~連夜は!」
『そんな事…ないよ…』
にこにこして咲が俺を見ている。その笑顔のおかげで、俺は頑張ろうって思える。
やっぱり、俺は咲が好きだ…。
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