スイート・プロポーズ
「さて、と」
頭をハッキリさせるため、円花はバスルームへと向かった。
CM撮影は、思っていた以上に、スムーズに進んでいた。
天気は崩れることもなく、もう終盤といった所。
(不二 薫・・・・・・もしかして・・・・・・)
モデルのリリのヘアーメイクを担当している男性の名前に、聞き覚えがあった。
撮影スタッフの手配等はこちらで請け負っていたが、手配全般を引き受けたのは夏目。
名前を見たとき、半信半疑ではあった。
もしかしたら、名前が同じの女性かもしれないから。
だから、美琴には伝えずにおいたのだが―――。
「小宮、どうかしたか?」
「あ、いえ」
薫から目を離し、円花は首を振る。
「そうか? 撮影は、ほぼ終了だ」