スイート・プロポーズ

見れば、スタッフは引き上げ作業に入っている。


「思っていたより、早く終われたな」

「そうですね」


円花はチラリと、リリと話している薫に視線を移す。


(美琴の元カレ、よね?)


高校時代、一ヶ月だけの短い恋人関係。

美琴が殴ってやる、と言って、結局殴らなかった相手。

気になってしまう。


「夕食は、リリさん達と取ることになってる。小宮?」

「は、はい。ホテルの和会席、ですね。予約済みです」


視線を慌てて夏目へ戻す。


(仕事中に不謹慎だわ)


気になるが、今は仕事に集中しよう。

夏目の後に続きながら、円花は雑念を追い払った。





―――・・・・・・。

(お腹いっぱい)


予約したホテルの日本料理屋は、出てくる料理すべてが絶品で、残さず食べきってしまった。


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