スイート・プロポーズ

出されたお酒も上品な味わいで、料理にとても良く合っていたし、こんな仕事ならば大歓迎だ。

円花は部屋に戻りながら、余韻に浸る。


(東京に本店があるって言ってたけど、中々のお値段だしなぁ)


美琴を誘って行こうにも、気軽には誘えない。


「あ」


エレベーターに向かう円花の目に、ちょうどエレベーターから降りてきた不二 薫が映った。


(声、かけてみようかしら。美琴、名刺破ったけど)


余計なお節介と知りつつも、気になるものは気になる。

円花は意を決して、薫に歩み寄った。


「あの、不二さん」

「あ、こんばんは、お疲れ様です。小宮さん、でしたよね?」


綺麗な顔に、優しい笑顔が浮かぶ。

夏目は男性的な美形だが、薫は線の細い、中性的な美形に思う。


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