スイート・プロポーズ
「あったら良かったんだけどね」
食後のコーヒーに口をつけ、円花は苦笑する。
「なんか、一から恋愛始めるって面倒じゃない?」
「同意したくないけど、わかる。恋愛すると、ペース乱されるのよねぇ」
単純に言えば、自分のための時間が減る。
(可愛くない考えだけど、これが“大人”になった、って事なのかなぁ)
カップを空にして、円花は携帯を開く。
まだ時間に余裕がある。
「そういえば、あんたんとこの騒がしい男。倉本、だっけ? あいつが飲み会するとか言ってたわよ」
「飲み会? あぁ、新入社員の歓迎会じゃない?」
倉本の事だから、飲む口実が欲しいだけのような気もするが。
「総務部はしないの?」
「どうだろ? 今の所、予定はしてないなぁ。うちの部署、下戸な人多いし」