スイート・プロポーズ
円花は自分のデスクへ戻り、パソコンにメモが貼られていることに気づいた。
【小宮様 お助けください】
「・・・・・・はぁ」
名前は書いていないが、このメモを貼った奴は容易に想像がつく。
デスクの隅に置かれたファイルを、苦い顔をしながら手に取る。
案の定、やりかけの仕事だった。
(頼られていると喜ぶべきなのか・・・・・・)
複雑な気持ちになりながら、円花はファイルに軽く目を通す。
印刷所に突撃する倉本だが、決して手を抜いて仕事をしているわけではない。
丁寧な仕事をしているし、彼が印刷所に駆け込むのは、本当に納得できないから。
良くも悪くも、倉本 淳一は仕事馬鹿なのだ。
(あれで彼女がいるんだもの。尊敬するわ)